初めての春が来る 其れは、未だ知らない季節 此の枝に麗しき花が咲くという 霞む空、滲む雲 其の下に揺らめいた 影 遠き日の幻に 心寄せて目を閉じた 何故か懐かしい 記憶が呼び覚ました花の色と馨りには 誰かが歌う聲が宿り 遠き日に繋がる夢と変わる 満開の桜から 聴こえて来る此の歌を 胸に秘め何時の日か 此の場所で復た出会えるならば 霧の様な記憶さえ 余すこと無く伝えよう 桜舞う其の下で 儚き影を探し求めた遠き日へ 花曇、朧月 其の下に咲いた桜よ 貴方を忘れていた私を赦しておくれ 此の目に映る一枚の花弁は 暖かな風に乗って 空に舞い上がりそして消える 此の場所で出会う為、此処に咲いた 何時までも 此の花のすぐ傍で歌うことは 許されぬ運命だと 流した涙に月が傾く 露の様な孤独さえ 離すこと無く見つめよう 桜散る其の下で 儚き影を捜し求めた遠き日へ 嗚呼、満開の桜から 聴こえて来る此の歌を 胸に秘め何時の日か 此の場所で復た出会えるならば 霧の様な記憶さえ 余すこと無く伝えよう 桜舞う其の下で 儚き影を探し求めた遠き日へ