質屋殺し 1973年 大阪のお話し 「読みづらそう」 少年は母にぼやくも手に取る 500貢を越す頃に 夜が滑る 活字を浴びるほどに 針は進む 「辺りは暗くて 道も見えないから」 それでも歩いてゆけるぐらいは灯る 絵を切って 人を斬って 建てる愛の城 めくって、まためくって 引きこもった過去 衰弱死寸前の僕の左手 白内障呆然の六畳間の亡霊 衰弱し、風前のあの子の左手から 昆虫たちの宴 首輪ちぎるよ ゆっくりと陽はまた落ちて 優しく風は吹く 「がたんごとん」阪急の声も淀川は溶かす 200冊を越す頃に歌詞が滑る 200曲を越す頃に道が開く 衰弱死寸前の僕の左手 白内障呆然の六畳間の亡霊 衰弱し、風前のあの子の左手から 昆虫たちの宴 首輪ちぎるよ 「辺りは暗くて道も見えないから」 それでも歩いてゆけるぐらいは灯る