もしあの日雪じゃなかったら、 俺は電車で帰りはしなかっただろう。 もしあの日電車で帰らなかったら、 君には会えなかっただろう。 [雪のあの日 もしも。 捨てた選択肢の先を思いやって、 俺はほっとする。 そのもしもの先は、 君の居ない世界だから。 そしてその世界の俺を憐れむんだ。 なんて寂しい世界なんだろう、って。 だけど俺は寂しいなんて思わないんだろう。 そう考えると怖いよ。 君に会ったあの日から全てが変わった。 もしもなんて今まで、考えたことも無かった。 ただ何も考えずに徒(いたずら)に生きていただろう。 俺はこの出会いを『奇跡』と呼んでもいいのかな。 出会いだけで奇跡なんだから、俺はそれ以上は望まない。 『運命』なんて望まないから。 だけどそんな気持ち、強がりに決まってる。