浸かった指 君まで届かず ばやけた視界 掌で覆った 何百回目かの強がりを 雨で流して、流して 千切れた青に目が霞む。 沈んでく君が足りない上肢が 蝕んだ声が此処で蹲っていて 落ちていく夕日が 消えない思慕が 軋ませた傷が其処で 泣いている 浸かった指 君へは届かず ふやけた躰 瞼に焼き付けた 何千回目かの我儘を 月で揺らして、揺らして 透かせた青に目が眩む 浮かんでく夜が 頼りない下肢が 侵された僕が 此処に立ち竦んでいて 忘れてく準備が 解けない魔法が 彩った日々が其処で 笑ってる ああ、そして 続きは失われて 大事に取っておいた一行も終わる かなしい話が聞こえたんだろう だからちょっとだけ また、涕が出た 滲んでく君が 醒めない午睡が 損なった心が此処で。 沈んでく君が 足りない上肢が 蝕んだ声が 此処で蹲っていて 落ちていく夕日が 消えない思慕が 軋ませた傷が 其処で泣いている 泣いてるよ