愁いの日々から早年月は過ぎて 想いの丈を綴ったそのすべを 忘れた街 揺らぐ 虚ろな君の横顔を眺めている 僕の心は季節にとり残された 水取りのように彷徨う 溜め息の繰り返しが僕の袖を掴む 春先は微睡む午後の 時が溢れ落ちるような 風景の足跡を辿る 夏を待つ雨降る朝の 時を刻む雨音の中に 遠のく瞬きが一つ見える 退屈な夜をいくつも並べていた そのすべてのありふれた物語を 置き去りにして歩きだす あざやかな色 君の言葉さえも ただ静かに流れる時間の底に 降り積もるだけの出来事 かげろうが揺蕩う日な僕を思い出して 春先は微睡む午後の時が溢れ落ちるような 風景の足跡を辿る 夏を呼ぶ風の中で 二人だけ過ごした春が遠のく あの哀しい景色 見えなくなって