硬く閉ざした扉 面影残し 錆付いた鍵を握り締めて 想いごと消えてしまいたい 庭の桜は昨夜の雨で散りました アナタがあの時綺麗と言ってくれたのに 花びらを敷き詰めた道で アナタを迎えられるのかしら 一片土に還る度 残りの季節に焦がれるなら 解けたい 護り続けた扉 想いの様に 来る日も来る日も微笑っていても 待てど暮らせどアナタは来ない 遅咲きの木は今年も無事に咲きました 返事が怖くて躊躇った 書きかけの手紙は胸の中 いつの日の不手際が怖くて アナタに迷惑をかけないように 時を戻せるのなら…… 言えないけれど…… 最後の華にすがりついて 喚いてもアナタはいない 紅の霧の下で 花見よ宴よと舞う ひらひらと私自身さえも 桜の花びらのように空に散っていきたい 護り続けた扉 想いの様に 来る日も来る日も微笑っていても 待てど暮らせどアナタは来ない やがて季節は変わり 華は散って 残された私を 呼ぶのは遅咲きの最後の欠片 降りゆく軌跡を見上げた先に -色鮮やかな虹色な空-