暗闇に絡み合う 吐息の糸を手繰るように 伸ばされる指先で 掻き抱かれた 細い肩を 揺らせば波を撃つ 月灯りに蒼き天井へ 響くものは形ばかりを似せた 脆き一夜の歌声 恋という美しい 名に飾られた欲望と 点される恍惚に 灼かれ続けた 肌の隙間 誰にも見えぬように 刻みつけた傷が命なら どんな優しさにも 癒されぬように 爪を突き立て抉る 瞼に舞い踊り 染め上げるは赤き罪咎の 爆ぜて落ちる姿 この胸の上 咲かせた花の数だけ 汚れた躯でも この焔で浄められますか ただ思い出の中認められた 言葉の痕を抱けば 血肉も骨さえも 泡と朽ちて獄に失せるとも 真など無いこの界でただ君を 信じたことが幸せ