[00:00]歌词提供:迷途黑猫-橙 [00:41]メリ:「ひも理論って、どんなことを研究しているのかしら」 [00:45]蓮子:「珍しいわね。メリーが私の研究に興味を示すなんて。 [00:51]難しくてよくわからないんじゃなかったの?」 [00:55]メリ:「大切なパートナーが行き詰ってるんだもの。 [00:58]聞き役らいにはなるわよ。 [01:00]話すと意外となんとかなるかもしれないわよ」 [01:09]蓮子:「そうね......つまるところ、 [01:12]世界をどう見るかって問題なのよね、これは。 [01:16]例えば、メリーの目は変な目よね?」 [01:19]メリー:「歯に物をきせない言い方ありがとう。 [01:22]確かに私の目は、他の人とは違うわ。結界の隙間を見る。 [01:27]でもそれは、貴方も同じでしょう?」 [01:29]蓮子:「私の目は便利なだけよ。 [01:31]月と星を見れば、時間と場所がわかるだけ。 [01:36]でも、メリーは違う。 [01:38]貴方には、世界が穴だらけに見えるんだから」 [01:44]メリ:「落ちたら夢の国に迷いそうな落とし穴だらけね。 [01:47]京都はそこまでじゃないけれど......」 [01:50]蓮子:「つまり、同じ世界にいるにも関わらず、 [01:53]貴方と私では見ている世界が違う。 [01:58]でもそれは、メリーだけが特別じゃない。 [02:02]本来誰もがそうなのよ」 [02:04]メリ:「観念論ね。見ている人の数だけ世界がある。 [02:09]観測する主観が世界の在り方を決める」 [02:14]蓮子:「そう。メリーが専攻してる、相対性精神学のようにね。 [02:21]でも、超統一物理学は違う。 [02:26]それは唯一無二の世界の在り方を決めるのよ」 [02:32]メリ:「たったひとつの真実、ということね」 [02:35]蓮子:「誰が見ているかどうかに関係なく世界は存在し、 [02:39]誰が見てもひとつきりの形をしている、 [02:43]というのが基本的な考え方よ。 [02:48]超統一物理学は、『世界はこういうものだ』 [02:53]とひとつきりの解答を出すための学問で、 [02:56]超ひも理論はそれを導きだすための方法のひとつ。 [03:00]......っていう説明でどうかしら? [03:03]かなり噛み砕いて話したから、うのみにされても困るけど」 [03:41]メリ:「予防線を張ったわね。論文だと突っ込まれるわよ」 [03:45]蓮子:「メリーが相手だからいいのよ」 [03:48]メリ:「そうね。でもどっちかというと私はーー」 [03:51]蓮子:「ストップ!」 [03:53]メリ:「どうして?」 [03:55]蓮子:「公共の場でメリーさんが良からぬことを言おうとした気配があったのよ」 [03:59]メリ:「いやだわ、蓮子じゃあるまいし」 [04:22]蓮子:「納得いかないけど、まぁいいわ。 [04:48]説明、どうだった?」 [04:53]メリ:「ひとつ、気になったことがあるわ」 [04:55]蓮子:「気になったこと?」 [05:00]メリ:「ええ。見える世界の在り方を決めるための研究。 [05:06]でも、見えないものは、どうするんでしょうね?」