[00:47.250]その身の丈山のごとく [00:52.680]雲さえ貫くほどの大男として聞こえた [00:58.690]それは心の弱きものには [01:04.350]けして見つめることさえも適わない化妖 [01:10.670]恐るべき時代親父! [01:13.440]その噂の確かならばと [01:18.830]幾度も現れては一人また一人と違え [01:24.740]そんな姿にさえ怯えるもの [01:30.160]幾ら居たとて強きものとは呼べることなく [01:35.890]居るならば強き者―心に雲ひとつ翳らぬもの [01:42.260]―それか剛胆豪放剛にして怯えぬもの [01:47.870]されど―未だ影も見ず [01:53.350]幾度も軟弱者を屠っても [01:56.880]時代親父は満たされず [01:59.850]いつしか思い描く姿 [02:02.810]強者やはいつ来る [02:05.310]意味なき殺生を重ねては [02:08.320]失意に暮れる日々 [02:11.430]我真に強き者を [02:14.370]求めては風任せ [02:19.400]その行方は明日往く雲の先 [02:30.050] [03:04.290]そしてまた暮れ往く空の下 [03:09.770]空ろに影を揺らして佇む入道のあれば [03:15.610]ここに足を鳴らしてその影を [03:21.230]我が道より除けとばかりに踏むものが来る [03:26.910]見るにハイカラな少女! [03:30.450]その噂に名高ければ [03:35.880]その姿を一目見ては逃げ帰らぬもののなく [03:41.710]しかるにその幼さの残る顔に [03:47.290]不敵な笑みさえ湛え歩み留めることなし [03:52.910]その瞳凛として―何にも屈さぬ不撓不屈さ [03:59.410]―己が強さを疑わず生きるその目の彩 [04:04.830]まるで―恐れを知らぬ者 [04:10.280]それはけして偽りでなく [04:16.520]斯様な強きもののあること [04:22.220]それを遠く探していたと [04:30.780]その姿凛として [04:36.550]“見越したり!” [04:37.900]“その正体見破ったらば何も恐れることはなし!” [04:43.070]“されば消えよ見越し入道、その悪事これまでよ!” [04:48.630]笑顔さえ見せながらも [04:51.910]毅然と告げるその声に [04:54.430]時代親父も笑顔さえ [04:57.730]浮かべていたことか [05:00.190]強きもの [05:01.680]心の強きもの [05:03.410]恐れを知らぬもの [05:06.100]そしてそれに付き従うが時代親父の本懐 [05:11.830]守り守られ手を取り合う影二つ [05:17.980]雲居に咲く一輪の花 [05:37.530]