子供の頃だけ 遊んだ君の 葬式あと 残る線香のにおい これからも 続く毎日の あてどなさに 目を閉じる アパートその日暮らし 午前二時 枕元 死んだ君が 化けて出て 「うらめしや、祟る気はないよ。」 半透明でニヤリ 「昔、よくやったあのゲーム 君に借りパクされたゲーム。」 「まだクリアしていないから。」 「あの世にいけない。」 だから おばけの君と ゲームをピコピコ 相変わらず ヘタクソだね いつも どうして うまくいかないのかな どうして あっさり 死んじゃうのかな るるる??? 君が透けて浮いてる コントローラー 一応 もてなした ポテトとコーラ そいつを 横目に来月の 家賃のこと考える ろくに勉強せず二人 ゲームの貸し借りをしたり 返すつもりは あったのに 急に疎遠になって だから おまけの日々を遊ぼう ガチャガチャ 協力プレイ 懐かしいね いつも どうして そこで突っ込むのかなあ どうして ぼくだけ 生きてるのかな 通りすがりの 浮遊霊がぼくらを 指差して クスクス笑ってるんだ ワンパターンなギミックに ワンパターンに殺されて だんだんパターンを掴み やっとラスボス前って所で ゲームクリアのその先に 望んでる続きはないって 生きてきたセーブデータも いつか上書きされるって だけど おばけの君と ゲームをピコピコ 悲しくても やらなくちゃね ボロボロで辿りついた エンドロールに 知らない人の名前 そして 二人はハイタッチ すり抜けゲラゲラ 窓の外は もう朝だね 「いつも、失敗だらけだったけど、それなりに楽しかったよ。 マヌケ面で君は 姿を消した ぼんやり徹夜明け 痺れた頭と ほんとにしょうもない 思い出のにおい 実はゲーム機に とり憑いた 君にまだ 気づかないまま アダプタは 暖かいまま