[00:00.28]その日は随分と平凡で
[00:02.79]当たり障り無い一日だった
[00:05.50]暇つぶしに聞いてたラジオから
[00:07.40]あの話が流れ出すまでは
[00:09.35]
[00:09.60]「非常に残念なことですが、
[00:11.92]本日地球は終わります」と
[00:14.10]どこかの国の大統領が
[00:16.46]泣きながら話をするまでは。
[00:18.87]
[00:21.02]ヘッドフォンアクター/Head Phone Actor
[00:21.66]
[00:22.20]作詞:じん(自然の敵P)
[00:22.76]作曲:じん(自然の敵P)
[00:23.42]編曲:じん(自然の敵P)
[00:23.98]唄:IA
[00:25.81]
[00:46.13]窓の外は大きな鳥たちが
[00:48.34]空覆い尽くしてく渋滞中
[00:50.61]三日月を飲み込んで
[00:52.52]どこかへと向かってる
[00:55.20]やりかけてたゲームはノーセーブ
[00:57.61]机にほぼ手つかず参考書
[01:00.00]震える身体をいなす様に
[01:02.80]すぐにヘッドフォンをした
[01:04.10]
[01:04.51]不明なアーティスト項目の
[01:06.68]タイトル不明のナンバーが
[01:09.50]途端に耳元流れ出した
[01:11.68]「生き残りたいでしょう？」
[01:12.99]
[01:13.23]蠢きだす世界会場を
[01:15.55]波打つように揺れる摩天楼
[01:18.90]紛れもないこの声はどう聞いても
[01:20.13]聞き飽きた自分の声だ
[01:22.30]
[01:22.45]「あの丘を越えたら20秒で
[01:24.53]その意味を嫌でも知ることになるよ。
[01:27.29]疑わないで。耳を澄ませたら20秒先へ
[01:32.39]
[01:41.13]交差点は当然大渋滞
[01:44.54]もう老若男女は関係ない
[01:47.12]怒号やら赤ん坊の泣き声で
[01:49.00]埋まっていく
[01:50.87]
[01:51.38]暴れだす人  泣き出す少女
[01:53.56]祈りだした神父を追い抜いて
[01:55.84]ただ一人目指すのは逆方向
[01:58.13]あの丘の向こうへと
[02:00.49]ヘッドフォンから依然声がして
[02:02.73]「あと12分だよ」と告げる
[02:06.43]このまま全て消え去ってしまうなら
[02:07.89]もう術は無いだ ろう
[02:09.20]
[02:09.26]ざわめき出す悲鳴合唱を
[02:11.54]涙目になってかすめる10秒
[02:13.90]
[02:14.10]疑いたいけど誰がどうやっても
[02:16.33]終わらない人類賛歌
[02:18.37]
[02:18.42]「駆け抜けろ,もう残り１分だ。」
[02:20.66]その言葉ももう聞こえない位に
[02:23.36]
[02:23.41]ただ目指していた丘の向こうは
[02:25.75]すぐ目の前に
[02:28.23]
[02:28.77]息も絶え絶えたどり着いたんだ
[02:30.94]空を映し出す壁の前に
[02:34.82]その向こう白衣の科学者たちは
[02:35.93]「素晴らしい」と手を打った
[02:37.42]
[02:37.83]疑うよ。
[02:38.71]
[02:37.95]そこから見る街の風景は
[02:41.25]まるで実験施設の様でさ
[02:43.59]
[02:43.88]「もう不必要だ。」
[02:45.18]科学者は片手間に爆弾を投げた
[02:48.90]
[02:48.24]箱の中の小さな世界で
[02:50.52]今までずっと生きてきたんだなと
[02:53.20]
[02:53.14]燃え尽きていく街だったモノを
[02:55.95]ただ、呆然と見る耳元で
[02:57.73]
[02:57.88]ヘッドフォンの向こうから
[03:00.38]「ごめんね」と声がした
[03:02.72]
[03:33.86]End