青い草が 涼やかに揺れている 裸足になりて 踏み歩けば 足にからみて影もゆく 真夏の真昼 空高く ふいた命が匂い立つ 森も山も せせらぎも語り出す 花を一輪 手折りしとき 幼き日より聞かされた 人の憂き節 愛される 古へよりの物語 なぜか痛い この胸を抱くとき 逃れられない 定めを見る うねりの中に身を投げて 咲いて散り行く花一つ 光を添わす ひとゆえに たったひとりの ひとゆえに