逢魔ヶ刻に 哭き聲一つ 荊棘しくも碧く揺らめく 焔焚いた夜行の群れは 音を揃え何処か行かん 我も追おうぞ 息を殺し歩むを忍ぶ 潜む姿滑稽なれど 気にも留めぬ 好奇の心 目蓋瞬く事も忘れて 音も発てず 進む一団 遅れまいと焦りを煮やす 急ぎ行くも 差は縮まらず 異形なれば 為せる業なり 為せる業なり さては妖しの類の術か 観るも華やぐ宴に踊る 人に在らずも諸手を使い 飲めや唄えと言葉を交わす 誘う 酒肴に あれよあれよと其に魅入られて 手招く 灯に 気付けば共に語れり 妖し共が囁く事にゃ 今宵我が子嫁ぎし祝い 皆でたんと祝おじゃないか さあさぐいと盃空けなされ 酔いはとくと五臓に廻り 何時の間にか眠りに堕ちた 辺り見るも人影在らず 異形なれば為せる業なり 為せる業なり