作词:桃華なゆた 作曲:Nem 温んだ夕陽のむこう  君の影を探してた 夏に染められた街は  隠すことばかりが上手い オレンジの空  突然こぼした雨音 濡れた眼に映る  傘の群れのなか 君が 揺らめいて  また 陽炎に滲む 駆け上がる階段の先の  その手には 触れられないと  知っていた なのに 意味を手放した傘だけが  音を立て叫びのよう 近づくたびに惹かれて  手をのばせば掻き消えて 雲がほどけていくとき  きまって君は目を逸らす 白いサンダル  水たまりを踏んで濡れて 困ったみたいに  笑う顔がかすんでく ただ消えるだけ  そんな存在を 忘れることができないまま  焦がれては 不確かな君  もう雨の向こう アスファルトが乾いたら  もう 君の跡は残らない 陽は雨に落ち  君を映しだす 泣いたように零れた声が  消え去っていく 疼く感情 ルールを破って うたかたのような結末を  描き出す 「もっと傍へ」と  願うワガママで 確かに近づくのに 雨が  傘が揺れて 滲む また  遠くへ