その庭師は大切にしていた花があったの 身寄りのなかった孤独な庭師は その花をまるで恋人のように 大事に大事に育てたの でもその花はほどなく枯れてしまった どれだけ美しく咲く花も軈て枯れるの 庭師は酷く哀しみ泣いた 涙の底をついたとき 庭師はとある決意をする 永遠に枯れない花をつくろう 庭師は来る日も来る日も花の 研究に明け暮れた でもどんな花も必ず枯れて 朽ち果てる 遂に庭師は力つき枯れた 花畑で息絶える そして庭師の亡骸の 上に一輪の小さな花が咲く だけど結局その花も 儚く朽ちて果てるのだ どれだけ美しく咲く 花もいずれ枯れる