伝えられた語られた全ての物語さえ 輝きを秘めた石は、静かに物語り。 集う七つの虹色、願いを叶える為に 人の手は夢を求め歴史を繰り返す。 散りばめた記憶から紐解く呼び声は、 消え去った王国が刻んだ逝く涙。 誰しもが祈るのは何から逃げる為。 その騎士は退くことを忘れて求めて。 光が宿る石を両手に握りしめ、 彼が見たのは戦火に落ちる空のない色。 遠い遠い昔から聞かされたお伽噺。 輝きを秘めた石は、願いを叶えると。 燃え上がる家も空も止めることは出来なくて、 錆びた剣に乗る血の悲しさに嗤った。 蘇る記憶には名誉を、勝つことを、 生きるのを、金貨さえ離さぬ人が居た。 誰しもを斬り散らし集めたこの光、 足りぬのは赤に青、それから七つまでは遠い。 ~彼は退くことを忘れてしまった~ 光が宿る石は両手を零れ落ち、 聞こえる声も今は冷たく、頭に響く。 ああ、人々は求めるが故、夢見て、生き、 だからこそ届かない。 彼が最後に見た光、煌く五つ六つそこで力尽き、 この手はもう誰も救えないと知る哀しみ……