作曲 : 東方地霊殿より 暗闇の風穴 西の空 鰯雲が 茜に染まる 長く伸びる影 沈む夕陽 烏の羽音 夕闇に追われ家路を 急ぐ童の背を見送り 帰らぬ人を持ちわびる 侘しき姿は誰そ彼 藤色に 変わる空を 密かに照らす 宵の明星は 太陽から 取り残されて 暗がり広がる街角で 人知れず睫毛を伏せる まぶたの裏側に描いた 手を振る姿は誰そ彼 西日の差す 部屋で笑う 君の声が 君の微笑みが 胸を抉る 胸を叩く 喉の奥を 強く焼き焦がす 西日の差す 窓辺に咲く 蕾のような 君の初恋が ああ神様、どうかいつか いつの日にか叶いますように 待ち人未だに来らず 街の灯りの点る頃 届かぬ声を待ちわびる 侘しきその姿 ため息があの空に朧を移し 思いは時を遡る 追憶の果てに微笑む 愛しき姿は誰そ彼