作曲 : 細野晴臣 作词 : 松本隆 涙ぐんだような 碧めた月がうとうと うとうとしている隙に 忍び込んで来て 部屋を浄っている 何かが近づく 気配がしている 壁や床板の密やかな息に 雨が吹き なぐるとても 不可思議な夜だった 時が羽撃いて辺りを顫わす 底知れず深い二月が漂い 眩瞑く弾ける 敵がいるんだ 硝子のように冷い つめたく螺子曲がった針の 背後に 蟄れている とても不可思義な夜だった 暖い布団 暖い布団を温々温々くと纏う 私は冷い 何を怨うか何を呪うか 硝子壜の底で喘ぎ苦しんで 可笑しくもないのに 笑い出したかった 沈黙に落ちる とても不可思義な 夜だった