切り取られた面影は 牙を剥いた君の姿へ 帰り道はおぼろけな 迷い子のようで とり憑かれた足音は 助けを呼ぶ孤独の声で 差し伸ばした左手は 虚空を掻いて 震えている小さな白い肩を(どうして こっちに来ないで) そっと強く 柔く抱きとめる(だけど ひとりにしないで) 頼りなくかすか聴こえてた か細い 君の声が(優しい あなたの 声が) 私がいつでもそばにいる 隣で笑ってあげる 二度とは戻らない 永遠を 私はいつでもここにいる もう君はひとりじゃない 今宵も踊ろう 月まで届くよに 積み上げてた十字架は 音を立てて無残に崩れ 紅く染めたてのひらは 砂塵にひたして 引き伸ばした思い出は 揺らめくまま紫煙に霞み ありふれてた日常は 果てさえ見えず 美しく咲いては散って落ちる(強く なれずにごめんね) 花火を君に重ねてみた(この手 離さないでいて) 涙など夢に変わればいい 愛しさ こぼれながら(寂しさ 包みながら) 私と出逢っていなければ 君は誰とこうしてた 運命と呼ぶのは 照れるけど 私もきっとこの出逢いを 胸を張って誇るから 今宵も踊ろう 月まで届くよに 闇が遠い日の 結末をささやく 朝焼けに溶け込んで あと幾年 私はいつかいなくなって 君の隣を離れて 願うのならその日まで 共に 君と肩寄せて泣き笑い 時には朝まで語り合い そんな日々が続くと 今日も信じている あなたがいつでもここにいる もう私はひとりじゃない 人は歴史から忘れても あれからどれだけ経つのだろう あなたとふたりで生きた 確かな証が 月まで届くよに 願うのならただ も一度逢えるよに……