雨上がりの水溜りには君の影が 映るなんて 時代遅れの哀しい迷信だね 解らない 訊けない 知らない 遠ざかる誰かの靴音 忘れない 癒えない 消えない 心の渦 肩を叩く夏の陽に 見上げる空はまぶしすぎて 立ち尽くす傍方には 君がくれた青い傘だけ ひとり歩く 昼さがり 置き去うれた 泪下垂る そのしずくが 乾きかけたそばかすぐに じんわり広がっとく あどけない咲いてた紫陽花 門の前 蛇の目でお迎え 微笑むは綺麗なMosaic 胸に染みる 街を包む夕立に 慕情絡まる 言う訳なら 捨てることできなかった 取りに来ない 赤い傘だけ ひとり僕は また思い出そうとしてる 降り止まないね 今も ずぶ濡れの交差点で 凍える僕を驚かすのは 悪戯に袖を引く 君は優しい 小さな傘化け ふたり歩く雨上がり