あ、支店長夫人。 半沢さん、でしたっけ? はい。あ、あのう… すいません、お忙しいところ呼び止めてしまって 。 いいえ、で、お話というのは? はい、主人のことなんですが。 半沢課長さん? はい、今、お茶入れますね。すいません、気づかなくて。 あ、あのう、 でしたら、お水いただけます ? あ、もうしかして、さっきの料理。 ですよね、濃かったですよね、やっぱり。 いえいえ、そんな。 すいません、あんなもん、無理やり食べさせちゃって。 ここだけの話、あれ、沙苗さん、まったく作らなかったんですよ。 えっ? 全部、私たちに作らせて、最後の最後に味見だけして、 「皆さん、 どなたが召し上がるか分かっていてこの味ですか 。いい、関東の方が召し上がるのよ、関東は濃いめ、これ常識よ」とかなんとか言っちゃって、お塩やら、醤油やら勝手にガンガン入れて。 挙げ句の果てに隠し味とか言った、蜂蜜まで、それであんな恐ろしい代物ができ上がってしまったんです 。本当は美味しかったんですよ。 ていうか、いるんですよね、ああいう人。全然料理できないのに、変な知識だけは持っていて、 手は動かさないのに、口ばっかり達者で、しかも、味音痴っていう絶望的パターン 。 分行长夫人。 你是半泽太太吧。 是的。那个... 不好意思,突然叫住您。 没什么,你是要说什么呢? 是我丈夫的事。 半泽科长的事? 对。现在就给您泡茶,不好意思我疏忽了。 那个,可以的话能请你帮我倒杯水吗? 啊,难道是因为刚才的菜? 也是呢,口味很重吧,果然是。 没有没有。 真是对不起,非要您吃那种东西。 偷偷告诉您,那些根本不是沙苗太太做的。 全都是让我们做的,她只是尝了一下最后的味道。 然后就说,你们知道这是给谁吃的吗?听好了,是给关东人吃的,关东口味比较重,这是常识。然后就把盐啊酱油啊随手往里倒,还说什么要放秘密调料,连蜂蜜都放了,所以才做出了那么恐怖的料理。本来是很好吃的。不过还真有那种人,根本不会做菜,只知道些奇奇怪怪的知识。光说不练,最要命的还是个味觉白痴。