1991年 この産業中央銀行で働くことは私の夢でした。 いや、しかし銀行はうちだけじゃないでしょう。 いいえ、こちらでなければダメなんです。 実家が小さな会社をやっております。 私が中学のとき、取引先が倒産して、 うちの会社も潰れる寸前まで追い詰められました。 何とかします、何とかしますと、 そう言って、必死に頭を下げる父の姿は、 今でも目に焼き付いております。 その数日後、父は過労で倒れ、他界しました。 父の死後、メインバンクだった地元の地銀は、 いち早く融資を引き揚げ、母と従業員を苦しめました。 そのとき、私たちを救ってくださったのは、 それまで付き合い程度しか取引をしていなかった、 こちらの産業中央銀行です。 御行は父が残した工業用部品の将来性を正確に見抜き、 融資して、救ってくださいました。 父の工場は母が引き継ぎ、 今でもどうにか続けていくことができております。 ですから、私はぜひとも御行に入って、 その恩返しがしたいと思っております。 分かりました。 面接は以上です。 明日午前0時までに、ご連絡がない場合、 ご縁がなかった ということでご了承ください。 分かりました。 undefined