芒種 芒ある穀類稼種する時也。 豊穣をもたらす、梅雨の雨、いよいよ田植えの季節です。昔から、田植えは神聖な行事とされました。神に仕える早乙女たちが苗を植え、賑やかな田植ばやしで、豊作を祈願します。大地に命を吹き込んできたのは、いつも人々の祈りだったのかもしれません。夏の夜の一時、都人たちは、風流な宴を楽しみます。水上で涼をとる、「納涼床」、江戸時代、町人らが床几を置き、涼やかに遠来の客もてなしたのが始まりといわれます。自然と調和する粋な遊びの感性が、都には流れているんですね。小さな命の灯火が、本格的な夏の訪れを告げ始めました。京都には二十四の季節があります。