小満 万物盈満すれば草木枝葉茂る。 野山の緑が深まる頃、麦畑は黄金色に染まります。麦が熟すこの時期は、麦の秋「麦秋」と呼ばれます。「秋」という言葉には、「穀物が成熟する時」という意味があり、初夏ではあっても、麦の秋と表現しました。それぞれに、実りの時があることを教えてくれる季節でもあるんですね。京都には、6月1日に、暮らしを夏向きに替える慣わしがあります。住まいを夏用に設える「建具替え」、昔から、「家の作りようは、夏をむねとすべし」といわれ、蒸し暑い都では、涼をとる知恵が受け継がれてきました。もう一手間、一工夫、その心が、自然と寄り添う暮らしの基本なのかもしれません。そろそろ種まきも始まる頃、何かと慌ただしくなり始めます。京都には二十四の季節があります。