立夏 夏の立つがゆへ也。 何もかもが眩しく輝く初夏の頃。都は美しい紫色に彩られます。平安時代、貴族に愛された京紫、時代が移り、新たな紫色が生まれても、この都の紫は大切に守られました。ここで生まれ、ここにしかない色だからこそ、誇りを持って、受け継がれてきたのかもしれません。昔、端午の節句は、菖蒲で汚れや厄を払う行事でした。やがて、武家社会になると、菖蒲が武を尚ぶ、「尚武」に通じるとして、男の子の立身出世を祈る行事になっていったといわれます。子どもたちの健やかな成長願う親心が新たな節句を生み出したんですね。芽吹いた命が光を受け、天地に青々と満ち始めました。京都には二十四の季節があります。