清明 万物発して、清浄明潔なれば、此芽は何草としれる也。 春たけなわのこの頃、土を突き上げ、筍が頭をのぞかせます。日本一の誉れ高い京都の筍は、季節が来れば、勝手に入ってくるというわけではありません。土を作り、光を当て、一年中竹やぶの手入れが行われます。手塩にかけて、育てられるからこそ、多くの人に愛されてきたんですね。昔、13歳は大人の第一歩だと考えられていました。京都には虚空蔵菩薩から、大人の知恵を授かる通過儀礼があります。十三参り、渡月橋を渡り切るまでに後ろを振り返ると、授かった知恵がなくなると言い伝えられてきました。迷わずまっすぐで進んでほしい、そんな大人たちの思いが込められているのかもしれません。しとしとと細かな雨が降り出せば、春もそろそろくれるころ。京都には二十四の季節があります。