春分 日天の中を行て、昼夜等分の時也。 爛漫と咲き誇る桜は、今も昔も人々を物見遊山へと誘います。昔、農民は桜を見て豊作を祈り、貴族は宴を開いて、花の美しさを愛でました。この農民と貴族の風習が結びついて、今日の花見になったといわれます。それぞれが自分の場所で、自然を称え、心を豊かにしていたんですね。春のお彼岸。曾て人々は西の彼方にご先祖様の住む極楽浄土があると信じていました。太陽が真西に沈む春分は、極楽浄土にもっとも近づける日とされたのです。心の中に大切な場所があるからこそ、力強く歩いていけるのかもしれませんね。春はもう満開近し、清々しい空気が満ち溢れてきます。京都には二十四の季節があります。