大寒 冷ゆることの至りて甚だしきときなれば也。 冬も終盤に差し掛かる頃。三方山に囲まれた京都の盆地は、冷気がたまり、厳しく冷え込みます。この「京の底冷え」は、美しい水や肥沃な土壌とともに、都の豊かな味を生み出してきました。どんな季節でも、ちゃんと恵みをもたらしてくれているんですね。季節の分かれ目、「節分」は邪気が入りやすいといわれ、鬼を払う習わしがあります。京都では、「節分おばけ」というかわった風習も伝えられてきました。いつもと違う格好に変装し、鬼を驚かせて、追い払います。怖い鬼退治も、楽しみに変えた先人たち、豊かな知恵と感性で人生を切り拓いていたんですね。寒さの峠を越えれば、そこに、待ちわびた春の温もり。京都には二十四の季節があります。