すみません、事務所にまでお越しいただいて。 いえ。 ご連絡お待ちしていたんですが。 すみません、あのう、 スタッフの件はお断りさせてください 。 実は、工藤さんの作品拝見しました。 昔の練習作とのことで、瑞希が持ってきましたね。 彼女、あなたのことをスタッフではなく、画家として育ててくれないかと言ってきたんです 。でも、僕はスタッフにと判断しました。 3年前のコンクールで瑞希に負けた時から、あなた、描けなくなってるんですよね。 まあ、賢明な判断だったと思いますよ。 才能というのは等しく与えられるわけではない。残念ながら。 作品お持ち帰りいただけますか? 処分してもらって構いません、捨ててください 。 しかし…では、瑞希に返して… 彼女のところにあっても、邪魔になるだけですから、捨ててしまってください。 分かりました。 失礼します。