桜井:はい。 鬼塚:どうも。やっぱ世の中エリートがいいんすかね? 桜井:ははっ、どうしたの?急に。 鬼塚:いや…。 桜井:えっ? 鬼塚:高校生でもステータスとか、そんなの気にすんのかなぁ~と思って。 桜井:う~ん、そうね~。例えば立派なスーツを着てる人を前にすれば、あぁ~この人偉い人だ。ちゃんとしなきゃって、大抵の人は思うもの。ねぇ。実際その中身がどんな人間であろうとね。 鬼塚:ふ~ん。 桜井:逆に自分が身に着けた立派なスーツに自分がだまされるときだってある。まあ、自分が偉くなった気になっちゃうのね。 鬼塚:ふ~ん。 桜井:だから、うん。私はこうやって時々売店のおばちゃんになって生徒を見るの。 鬼塚:でもバレません? 桜井:だから、言ったでしょ。こんな格好してるおばちゃんを誰も理事長とは思わないの。見た目の先入観。中身までは見てないの。