瑞希:実は工藤先輩なんです。一緒に行くの。 春子:えっ? 瑞希:何とか向こうでチャンスをつかんでほしくて。やっぱり先輩は絵で生きていく人だと思うから。 春子:そうですか。 瑞希:知り合いの画廊を紹介してもらって、売り込もうと思ってるんです。そのためにはパリに拠点を置いた方がいいと思って。 春子:あっ…。向こうで暮らすということですか? 瑞希:フッ。はい。でもまだ行くっていう返事はもらえてないんです。でも先輩を信じて予約を。 春子: 心強いですね。そんなふうに支えてくれる人がいて。 瑞希:救いたいんです。先輩のこと。