私、この家を出た時、ぼろぼろ泣きました。好きな人と一緒に暮らすことが決まって、最高に嬉しい気分のはずだったのに。この家の玄関を出た途端、涙が止まりませんでした。泣けて泣けて、仕方が無かった。好きな人と一緒に暮らしている時も、一日の終りには、どうしてかな。部長と話がしたかった。振られて終わってしまったときも、部長に会いたかった。一人で暮らし始めた時も、やっぱり一日の終りには、この縁側で、部長と話がしたかった。部長のことが、忘れられなかった。ジャージーにちょんまげで、もう1度、部長に会いたかった。