村木:シミの鑑定? 糸村:うん。はい、これ。 村木:ダメ…。 糸村:このシミなんですけどね、これ油か何かじゃないかと思うんですけど…。 村木:あの…あのね、糸村さん。 糸村:はい、はい。 村木:こっちは先行してやらなきゃならない仕事が山積みなんです。困るんですよ。こういう事されると。 糸村:え?でも、捜査一課の科学捜査係にいた時は何度だって無理聞いてくれたじゃないですか。 村木:あの頃とは立場が違うでしょう。今のあなたは所轄の一刑事にすぎない! 糸村:立場や肩書きに気を取られると人は大切なものを見失いがちになる。…って、誰かが言ってました。誘拐された女性警察官は難病なんですよ。犯人逮捕は一刻を争うんです。 村木:糸村さん。私に寝ないで働けとそうおっしゃるんですか? 糸村:彼女もきっと眠れない夜を過ごしているはずです。あれぇ!?村木さんそれなのに1人で眠るつもりなんですか?あっ、そういう人だったんだ。村木さん。うわあ…。 村木:シャ…シャラップ、シャラップ!