純子:何も結婚までやめる必要ないのに。 芹沢:補修工事をしたって、あの家に住む気にはなれないだろうし。売却をするにせよ、大幅に値を下げるだろう。結果杉崎さんには多額のローン返済が残るわけだ。 純子:でも、それと結婚は別じゃないですか。 芹沢:甘いなぁ、君は。結婚は奇麗事じゃないんだよ。生活をしてかなきゃなんないんだ。借金まみれの男と一緒じゃ未来はホープレスだよ。ねえ?榎本さん。 純子:さん付け? 鴻野:やっぱり事故ですね。この件は事故死として処理します。 純子:えっ?どうしてですか? 鴻野:1、杉崎にはアリバイがある。2、しかも動機がない。3、そして現場は密室である。三拍子揃っていてこれ以上捜査を続ける必要ありますか?ねえ?先生。では、ご協力ありがとうございました。 純子:これで終わり?