村井:水野先生大丈夫ですかね。 杏子:こっちが責められることなんて何もないわよ。 小西:A組は終わったから手伝うよ。 杏子:あっ、すいません。 村井:あれ、相田先生は? 小西:校内の見回り。宮下:そっちの水野っちは。ああ、呼び出されてるんだな。携帯鳴っちゃったんだって?いや、ざわついてたから何かあったんだろうとは思ってたけど、まさか予告どおりのことが起こるとは。 杏子:予告って昨日の貼り紙の? 宮下:ああ。 村井:「入試をぶっつぶす!」ですね。 杏子:宮下先生はあの子がわざと携帯を鳴らしたと考えてるんですか? 宮下:誰だって思うよ。なあ、小西君。 小西:そうですね。初めに坂本先生の携帯を仕込んでおいて、それが見つかったから自分のを鳴らした。 杏子:でも、受験生は坂本先生の携帯を盗めないでしょ。 宮下:単独犯じゃないってことだ。この学校にきょうだいがいるとか。あっ、携帯を鳴らしたのはどんな子だった? 杏子:普通の女の子でしたよ。どちらかといえば気の弱そうな。携帯がバレて過呼吸を起こしちゃったし。