芹沢:何で俺までここにいなきゃなんないんだよ?俺は企業法務しかやらないって、あれほど言ったよな?聞いてなかったのか?それにさ、よりによって、何で窃盗犯のために貴重な時間費やさなきゃなんないんだよ?大切な時計とられた上に、タダ働きですか。ホントに割に合わないったら、ありゃしないよ。 純子:時計をとったのは会田さんじゃないですよ。 芹沢:大きなくくりで言えば、あいつがとったも同然なんだよ。 純子:榎本さんには借りがあるわけですから、しょうがないですよ。 芹沢:ハァー。何であのときすぐに報酬払わなかったんだろうな?俺は。後悔先に立たず。 純子:あっ? 芹沢:提灯持ち は後に立たず。ハハハ。 純子:あっ。あの。すいません。高澤美樹さんですよね?それで会田さんからお兄さんの部屋をもう一度調べてほしいと言われたんですが。私たちが家の中に入ることを許可してもらえないでしょうか?あなたはどう思う?お兄さんは自殺したんだと思う? 美樹:関係ない。 純子:えっ? 美樹:もし自殺じゃなかったとしても、あの人には関係ない。