宝生:あらいたの? 影山:お嬢さまノックなしで部屋に入ってくるのは失礼でございますよ。 宝生:あなただっていつもノックなしで入ってくるでしょ。呼び鈴鳴らしても来ないからよ。 影山:はてそうでございましたか。私これに夢中になっておりました故。 宝生:何それ。 影山:ご覧のとおり漫画『国立ち日記』でございます。 宝生:あなた漫画なんて読んでるの? 影山:漫画なんてとはどういうことでございますかお嬢さま。漫画は日本が世界に誇る文化でございますよ。 宝生:そんなことより影山。 影山:特にこの漫画『国立ち日記』は国立在住のベジとレベッカ幼なじみの男女がバンドを組み…。 宝生:影山? 影山:世界の頂点を目指す青春物語。多くの読者の涙を誘ってきた名作中の名作。文学的にも…。 宝生:影山。 影山:はい? 宝生:もういいから。早朝から風祭警部に呼び出されたの。殺人事件よ。リムジンを回してちょうだい。 影山:かしこまりました。 宝生:漫画は置いていきなさい。