東(ひがし)の空(そら)は眩(まぶ)ゆく水面(みなも)を照(て)らしても 胸(むね)にしまった声(こえ)は影(かげ)を落(お)とすだけ 継(つ)ぎはぎだらけの白(しろ)い心(こころ)のキャンパスに ため息(いき)ついて嘘(うそ) 並(なら)べた 夜風(よかぜ)の喧騒(けんそう)にとり囲(かこ)まれて 私(わたし)は振(ふ)り向(む)く あの日(ひ)の涙(なみだ)や貴方(あなた)の微笑(ほほえ)みが 愛(いと)しくて景色(けしき)が滲(にし)んだ 貴方(あなた)と見(み)た景色(けしき)や 交(か)わした言葉(ことば)すべて 忘(わす)れないからね、と 笑(わら)う声(ごえ)がひとつ ゆらり揺(ゆ)れる夢(ゆめ)は 閉(と)じた目蓋(まぶた)の裏(うら) やがて熱(ねつ)を帯(おび)ぴて 伝(つた)う涙(なみだ)ひとつ 西(にし)の陽(ひ)が右(みぎ)の頬(ほお)を紅(あか)ぐ染(そ)め上(あ)げても 取(と)り戻(もど)せない恋(こい)め鮮(あざ)やかな色彩(しきさい) からづぽのポケッドの中(なか) 震(ふる)える指先(ゆびさき)が 夢(ゆめ)のカケラに触(ふ)れた気(き)がした 闇夜(やみよ)を彩(いろど)るは欠(か)けた月(つき)の灯(ひ) 面影(おもかげ)映(うつ)して彷徨(さまよ)う あの日(ひ)の懐(なつ)かしい匂(にお)いや囁(ささや)きを ひとり見送(みおく)った 差(さ)し出(だ)されたその手(て)に 意味(いみ)を求(もと)めるなんて 私(わたし)らしくないと 笑(わら)う声(ごえ)がひとつ ゆらり揺(ゆ)れる夢(ゆめ)は 醒(さ)めて尚(なお)儚(はかな)く いつか見(み)た夜空(よぞら)に 伝(つた)う涙(なみだ)ひとつ 廻(めぐ)り廻(まわ)る季節(きせつ) 通過(つうか)点(てん)の記憶(きおく) 忘(わす)れないからね、と 笑(わら)う声(こえ)がひとつ