僕を見透かしていた僕が羽ばたいた… 赤く赤く染まる夕日に何を詠うのでしょう 嗄れた秋に溶け込んでいく僕は「影絵ノ鴉」 夕焼け小焼けでまた明日 手を振る僕をじっと見ている僕は「影絵ノ鴉」 嫌い嫌い嫌い嫌い来来 嫌い嫌い嫌い嫌い世世 「楽になれば?」 鴉は詠う 雪の終わりに生まれ芽吹く 冷たく痛い嘘の蕾は 静かに涙を啜る冬 真っ黒に染まり切っていたソノ手は容易く 僕の背中を押して飛んで行った 耳を塞ぎ、目を閉じて、声殺してまで 縋り付く意味…本音の産声 嫌い嫌い嫌い嫌い来来 嫌い嫌い嫌い嫌い世世 「楽になった?」 鴉は笑う 桜ひらひらと舞う頃 零れ落ちたアノ時の嘘 薄紅の眩しさに俯く春 嘘は咲き散り枯れて尚 心模様萌ゆる言の葉 枝分かれの全てが君に刺さる夏