秋の道をてくてくと 無意識さん、晴れ模様 夕暮れと心地よい風 不意に風が強くなる お気に入りの黒帽子が奪われてしまった とっても大事なものだったのに どうして 呆然とするわたしの 時間が止まって 理解するまで二秒半 「そこ行くお嬢さん,どうかしましたか?」 見知らぬ人の声が呼び止める 三人で歩く道 足六本、 眼はななつ やっぱり、目はむっつ 失くした帽子探しに 協力してくれるみたい なんて良い人だろう! 木々を掻き分け あのイチョウの上! 見つけた! 溢れる喜びを隠し切れないで 駆け寄るまでに 二秒半 「大切な物は なくしてはいけないよ」 見知らぬ人はそう言って 手を振った こんなふとした日々を大切に こんな出会いをなくさないように