夕暮れを待って ひびく警笛が あの夏の熱を 手招きするんだ しおりの代わりに 挟んだ写真は 引き出しのふちで 行方くらませた 秋桜は もう 涼しい振りして 夜のとばりに泣き顔 忍ばせる こんな薄着の僕に そっと降りしきる風が まだ実りかけの空想を さらって飛んでく コガネイロ 羽根をたたんで 腕につかまった コガネイロの髪 眺めて和んでた 夏の終わりに散る花 覚えた 赤くなずんで変われない畦道で 遠く逃げたがったけど ずっと付きまとう風が また忘れかけた真相を はためかせて どんな見慣れない人も きっと君をはらんでる まだ芽生えてもいないのに 儚いから 秋空ただよう 乾いいた匂いに どこが懐かしさ馳せて 思い出は今も 時計の針のよう 昨日に似た未来を周ってる こんな弱気な僕に そっと降りしきる風が まだ実りかけの空想を さらって飛んでく 遠く逃げ出したまま じっと待ちわびた風に また忘れかけた光景を 運んで欲しくて 風を待ってた ~END~