琥珀色の水面に浮かぶ白色のクリーム きみの注文はいつだって 甘そうで胸焼けしちゃうよ なんだか ふわふわ浮かぶ ひつじ雲 ゆるゆる溶ける きみの瞳 映る 紫色のガラス玉 ぽたぽた 愛を零している きみは手持ち無沙汰に広げた便箋に綴る 甘い恋人の物語 やけに美化された小説 やれやれ…… ゆるやかに踊るフォークの先にある苺を眺めてる きみの繊細な気持ち分かろうとする自分を褒めてみる ああ そう、きみは ほら いつも無意識に でも ねえ、なんだかんだでぼくも甘いんだろうね ああ そう、きみは ほら いつもわがままに でも ねえ、それを知られること 嫌う子ども きみは今日三度めの溜め息をこれ見よがしに ぼくもこれで今日二杯めの苦いコーヒーを空けるよ やれやれ…… 雲間から光射し込んでいる午後 きみは涙零す 不吊り合いな景色がぼくの心を絞り上げて滴る ああ そう、きみは ほら いつも無意識に でも ねえ、なんだかんだでぼくも甘いんだろうね ああ そう、きみは ほら いつもわがままに でも ねえ、それを悟らせようとしないオトナ