[00:00.00]第十課 「イソップ物語」を読む [00:09.85]きつねが井戸に落ちましたが、 [00:15.15]どうしても上がれなくて、 [00:19.23]、困っていました。 [00:22.41]そこへ、のどがかわいて困っているやぎがやってきました。 [00:30.01]そして、井戸の中に、 [00:35.11]きつねがはいっているのを見つけると [00:39.63]その水はうまいかとききました。 [00:45.01]きつねは、困っているのに平気な顔をして [00:51.91]水のことをいろいろほめたて、 [00:56.19]やぎにおりて来るようにすすめました。 [01:01.60]やぎは、水が飲みたいばかりに、 [01:08.99]うっかりおりて行きました。 [01:13.09]さて、やぎは、のどのかわきがおさまったので、 [01:20.48]上に上がる方法を、きつねに相談しました。 [01:26.26]すると、きつねは、うまい方法を思いついたと言って、 [01:33.65]あなたの前足を壁につっぱって [01:38.85]角を前にやってくださいよ。 [01:43.44]そうすれば、わたしが背中に乗ってとび出し [01:49.04]そして、あなたを引き上げましょう。 [01:53.95]と言いました。 [01:57.16]そこで、やぎは、今度もきつねの言うとおりにしました。 [02:05.15]きつねは、やぎの足の方からとび上がって [02:11.45]その背中に乗り、そこから、角をふみ台にして [02:18.66]井戸の口まで上がりました [02:22.84]そして、そのまま行ってしまおうとしました [02:29.32]やぎが、きつねに、約束がちがうじゃないかと、 [02:36.03]文句を言うと [02:39.82]きつねは?ふり返って言いました。 [02:44.73]「ねえ、やぎさん、あなたにもう少し知恵があれば、 [02:51.73]そんな所へおりなかったでしょうね。」 [02:56.33]はじめに、この話を読んで、いちばん強く感じたことを話し合ってみましょう [03:09.13]では、大谷君、どうですか。 [03:13.83]きつねは、知恵がありますが [03:18.53]やぎは、すぐだまされるから、考えが足りないと思いました [03:25.22]でも、やぎがだまされたのは、 [03:31.80]その時、とても水が飲みたかったからではないでしょうか。 [03:38.62]そうです。やぎは、その時、がまんできないほどのどがかわいたのだと思います。 [03:47.50]知恵があっても、そういう時には、だれだって、井戸のなかにはいって行くと思います。 [03:55.21]けれど、やぎがだまされたのは、のどがかわい時だけではありません。 [04:04.11]そのあとでもだまされているでしょう [04:09.00]だから、やっぱり、知恵が足りないのだと思います。 [04:15.09]わたしもそう思います [04:20.18]きつねが背中に乗ると言った時も [04:25.20]すぐ、きつねの言うことを聞いて台になってやるなんて [04:31.70]やっぱり考えの足りないやぎです。 [04:36.09]やぎは、きつねの言うことを、すこしも変だと思わないし [04:44.40]なんでも言うとおりになっています、わたしは、こういう性質は嫌いです。 [04:53.20]わたしも嫌いです。 [04:56.88]わたしは、どんなことでも、自分でよく考えて決めたいと思います [05:04.20]もし、わたしだったら [05:08.79]背中に乗せてくれと言われたら、はっきり断ります。 [05:14.88]ぼくなら、その井戸が浅いか深いかよく調べてみます。 [05:23.27]もし、深いようだったら、 [05:27.86]きつねに、上がるにはどうすればいいか、 [05:33.06]きいてからはいります。 [05:36.67]やぎについて、いろいろ意見が出ましたね [05:44.06]まだ、そのほかに、考えのある人はいませんか [05:50.25]ぼくも、やぎは好きではありませんが、 [05:57.43]そんなに考えが足りないのではないと思います [06:03.62]このやぎは素直なのだと思います [06:10.73]だから、きつねの言うことを、すぐに信じるのです。 [06:18.12]こんなに素直なやぎを、二度もだますきつねはとてもひどいきつねだと思います。 [06:28.31]ぼくも賛成です。 [06:32.70]ぼくは、こんなきつねは大嫌いです。 [06:38.50]大谷君は、きつねは知恵があると言いましたが [06:45.71]知恵があるのではなく、 [06:49.81]ずるいのだと思います [06:53.81]それでは、今度は、 [06:59.71]きつねについて感じたことを話し合いましょう。 [07:05.01]単語イソップ 物語 きつね(狐) 井戸 [07:20.11]落ちる どうしても かわく(渇く) [07:28.21]やぎ(山羊) 見つける 誉め立てる(褒め立てる) [07:36.80]おさまる(収まる、納まる) [07:40.80]思い付く 前足 つっぱる(突っ張る) [07:49.81]角 やる 背中 引き上げる [07:59.50]飛び上がる 踏み台 文句 ふり返る [08:11.00]知恵 感じる 大谷 山田 [08:21.08]我慢 木村 台 西山 性質 [08:33.10]浅い すなお(素直) 信じる 長島 [08:43.28]大嫌い ずるい 浦島太郎 浜辺 [08:54.00]騒ぐ かめ(亀) 匹 つかまえる [09:03.79]転がす たたく(叩く) かわいそう(可哀相) [09:12.80]そんなら 買い取る なでる(撫でる) はなす(放す [09:23.30]釣 ぴょこんと お辞儀 竜宮 [09:33.49]たい(鯛) ひらめ(平目) [09:38.40]御殿 通す 玉 貝 眩しい [09:49.69]乙姫 いとま(暇) しきりに(頻りに [09:57.89]箱 抱える 村 どうかなる [10:08.99]煙 すうと 髪 真っ白