夜の鯨は僕に言う 「やあ、また会ったね」 夜の鯨は僕に言う 「さあ、それじゃ行こうか」 夜の鯨と僕は行く… 夜の鯨は僕に言う 「じゃあ、気をつけて」 夜の鯨に僕は言う 「ああ、またいつか」 僕は一人階段を下る 壁掛けの絵に導かれる 僕は更に階段を下る 不思議な程見覚えがある 船を乗り換えて地底へ向かう 夜の鯨に僕は言う 「やあ、また会ったね」 夜の鯨に僕は言う 「さあ、それじゃ行こうか」 僕は戻る 愛した故郷へ 最後の絵を描くために 僕は上る タイル張りの坂 誰かの血が流れている 僕はやがてある事に気付く これら全て僕の血だと 永久の様な生命も溢れ続ける 溢れ続ける 描きかけたままで筆は床に落ちる 命を乗り換えて もう一度 天と大地を創造 神にさえなれる部屋 嘘と真実を混ぜ それで塗り潰してきた 此処には何も無い 歪な心だけ 水平線の向こう側 焼け落ちる火の中で 突きつけられたのは 他でもないあの声か 天と大地を創造 神にさえなれる部屋 嘘と真実を混ぜ それで塗り潰すだけ 宙と次元を創造 神でさえ恐れる部屋 嘘も真実も曲げ それで壊し続けていく 此処には何も無い 歪な心だけ 夜の鯨は僕に言う 「やあ、また会ったね」 夜の鯨は僕に言う 「さあ、それじゃ行こうか」