[00:09.29]春花に身をかがめて行った [00:17.85]時間達は虚ろに [00:19.12]俺の影に積み重ねられて行った [00:25.07]家出青年の背中は新しい腫れあがって行った [00:31.60]蒲団にもぐる時「このままでええや」思った [00:43.75]蒲団を蹴る時「このままじゃ駄目だ」思った [00:56.32]目をつむり乍ら走り去るあの煩わしさは [01:02.34]すべて遠い春の日の少年の骨の中だ [01:08.32]かかかかかかかか…… [01:29.24]雪道に自分の可笑しさを並べて行った [01:37.92]次々と苦渋が濡れたままの姿で [01:40.56]いちころになった [01:45.43]家出青年の希望はドブ河を [01:47.59]チャプチャプ海へ泳いで行った [01:52.34]蒲団にもぐる時「このままでええや」思った [02:04.12]蒲団を蹴る時「このままじゃ駄目だ」思った [02:16.95]楽しさにまぎれて散ってゆく [02:18.59]赤いうらめしの花 [02:22.93]それでも手配された人達は [02:24.56]怒りの気球を打ち上げた [02:28.88]かかかかかかかか…… [02:50.25]にぎやかな [02:52.85]音ばやしの中にいた [02:58.36]地を這う孤絶の中にいた [03:04.64]家出青年のまぶたは [03:06.16]虚心にまみれて行った [03:10.88]蒲団にもぐる時「このままでええや」思った [03:22.91]蒲団を蹴る時「このままじゃ駄目だ」思った [03:35.50]目をつむり乍ら走り去るあの煩わしさは [03:41.64]すべて遠い春の日の少年の骨の中だ [03:47.37]かかかかかかかか…… [04:18.07]最なる時のさなかにあって [04:20.71]人どちは皆一樣  [04:21.86]寒立馬である [04:24.50]寒げな淋しげな風である [04:28.85]「次世代のため」なぞと言うから  [04:30.83]滑稽になっちまう [04:33.84]「負の遺産」なぞと括るから  [04:36.32]たいがいになっちまう [04:40.24]原爆だろうと何だろうと [04:43.50]イヤなモノはイヤだと声を成せばいい [04:48.19]色素のない奥ゆかしき美意識なぞ [04:51.77]そんじょそこらの  [04:52.78]ニワトリのフンですらない [04:57.71]君よ  [04:59.89]君よもしや [05:02.66]かつてこの国には  [05:05.16]まっ青な翼の鳥がいた [05:13.62]貧困が暴力なら  [05:17.18]無知も暴力である  [05:20.77]悔しき暴力である [05:25.72]貧困が、貧困が暴力なら  [05:31.40]無知も暴力である  [05:35.01]悔しき暴力である [05:38.85]