閉ざされた扉が開かれて、放たれるもの。 閉じ込められた世界の中、迎える末路。 斯くも数奇な、 斯くも奇異なる「密室の少女たち」 -せめて、どうか、安らかに。 紅く、暗く、綴じた、この図書館で。 星と、月と、廻る、太陽。 はじめに、閉じ込められていた“太陽”は。 出口を探していた。 目指すは、自分の仲間の下へと、至る。 外側の世界へと。 いつしか、その元へ辿り着いた“月”は。 太陽を放とうとした。 己の、居るべき場所をめぐって。 ふたりの、物語は進んでいく。 閉じ込めて。次第に、その命を蝕みゆく。 その呪いの根源を、誰も知らない。 閉ざされた扉の向こうに陽が差込むとき。 望んでいた自由を、その手にする筈だったのに。 寄り添う月に、見守られるように、眠る。 -せめて、どうか、安らかに(Requiescat in pace in pace)。 つづきは、太陽の座を受け継いだ月が。 その身に、呪いを受けた。 いつしか、その傍に“星”が寄り添っては。 供に時を刻んでいく。 月から星へ受け継がれていく宿命。 変わらぬ根源だけが静かに、ずっと。 閉ざされた扉の向こうを月が照らすとき。 望んでも居ない自由を、その手を押し付けられて。 寄り添う星に、全てを託しては、眠る。 -せめて、どうか、安らかに(Requiescat in pace in pace)。 太陽と、月が眠って。 ひとりぼっちになった星が輝く。 ひとりの魔女にひとつの魔法。 八つ目の星の魔法が煌く。 閉ざされた扉の向こうで星が輝くとき。 その自由は誰の手に渡っていくのだろうか? 寄り添う者が、その場に居ることを願う。 今はただ全てを抱えて。 閉ざされた扉が開かれて、放たれるもの。 閉じ込められた世界の中、迎える末路。 斯くも数奇な、 斯くも奇異なる「密室の少女たち。」 -せめて、どうか、安らかに(Requiescat in pace in pace)。