空を見上げれば。そこには。 澱んだ空に、星が広がる。 ああ、私が嗤っている。 私が私を嗤っている。 捻れ曲がった私が。 嗜む酩酊のはずが、 いつしか、“それ”なしでは。息さえ、 出来なくなってしまう。 打ち棄てる、思考を。 蔓延る全ての憂鬱を、 くはりと、吐き出すようにして、 辛うじて生きている。 気だるさに、溶けゆく。 ねぇ、貴女。 思うに、この現実は。 脆く果敢ないものなのかしらね? 虫のように、操られ、交わる。 無自覚な本能のまま、行われて、広がる。 腐っていく。 心の隙間を、埋めようと。 ただ、ただ、繰り返す。 ——けれども、何も埋まらずに。 私は。  何を。 誰と。  何を。 誰もが欺瞞を塗り固め、 顔という、顔中に貼り付け。 自分を、欺きながら。 歩み寄る、密かに。 或いはその感情さえ、 ひと時の、悪戯の為せる、 逃避の産んだ幻。 現実を、歪めて。 ねぇ、私。 思うに、この関係こそ。 酷く汚いものなのかしらね? 虫のように、寄生され、諍う。 夜色の笑みをした何かが、私を、見つめる。 穢れていく。 愉悦を湛える、その眼は。 ただ、ただ、雄弁に。 ——未だ未だ、終わらせはしない。 貴女は。 何を。 誰と。 何を。 欠けていく。奪われた椅子の数一つ。 私には、取り戻す術が見つからない。 故に。 欠けていく。壊すべき椅子の数一つ。 私には、それ以外の術が見つからない。 虫のように、 支配され、 朽ち逝く。 病の果ての夜の黒を、 その内に、孕んで。 消えていく。 全てが捻れて、壊れる。 ただ、ただ、容赦なく。 ——幻想が、牙を剥く。 私は。 何を。 誰と。 何を。 其処には。 もはや。 誰も。 何も。