[00:31.759] [00:35.511]なすすべもなき 深い朝 [00:42.755]庭一面の コスモスを見ていた [00:49.755]鬼の手にあやされてでもいるかのように [00:56.502]それらはかすかにゆれて [01:02.759]ほそい確かな声を私になげかけてくる [01:16.760]青い空とコスモスと鬼が [01:33.004] [01:35.754]河辺という町のそれは赤い夢 [01:42.502]来し方の無念の無数のトゲ [01:48.259]万感からだがはち切れそうになり [01:55.259]猿すべりの木の小枝にでもなったようだ [02:03.712]いっそどうにか なるならなっちゃえ [02:14.465]青い空とコスモスと鬼が [02:27.968] [02:31.462]かの詩人はトリスを酌みながら [02:37.465]愛するものたちの事を語っているが [02:43.211]文学も愛も私にはその時どうでもよくて [02:50.211]ただ己の肉切れに落ちていって [02:55.461]無性の気持ちのゆく果てを恐れていた [03:06.967]青い空とコスモスと鬼が