日曜の昼下がり 突然強い雨が降り出した 地下鉄の入り口までは本のわずかだ 一気に駆け抜けようかっと その時 少しクラシカルな一軒のカフェが目に留まった 僕はオープンテラスから店の中に入った いい感じだった 落ち着いたブラウンのインテリア 植物園のようなグリーンな 清々しい空気を生み出している でも雨宿りの客で店は混んでいた 案内された席は 向くの切れできた大きなテーブルだった テーブルの真ん中には 流木とグリーンを組み合わせたオブジェが分かれている オブジェの向こう側に一人の女性が座って読書をしていた 「あ どうも」 「いえ」 と言って 彼女はにっこり微笑んだ 美しい瞳だった その時僕は一瞬で恋に落ちた 視線を外せないまま 僕はどうしていいかわからなくなった 「あ 雨宿りですか、雨、あの、早くやむといいですね」 何を言ってるんだ僕は 彼女は窓に目をやり また僕に目を戻すと 「日曜の雨は嫌いじゃないの」と 柔らかなアルトで言った そして読書の邪魔をしてしまったことを謝る僕に 「いえ」 と 優しく小さく笑って 彼女が広げていた本に目を戻した 外の雨よりも激しく心が騒いた 雨が止まないといいのに 日曜の昼下がり 恋は突然の雨と共に訪れた