夏草の窓 [00:02.24]夏草の揺れる窓辺に [00:05.07]横たわる青い果実は [00:10.66]服の乱れ直せぬままに [00:16.43]強い不安と戦いていた [00:21.74]海鳴りの遠い音 [00:27.49]顔を撃つ真昼の陽射し [00:33.89]やっとうす目を開けて [00:36.67]そばの彼に気付く [00:39.83]君はもう [00:42.80]自分じゃないような気がしていた [01:00.20]くっきりと刻みこまれた [01:06.17]陶酔の時間があった [01:12.29]もう一人の激しい自分を [01:17.73]見せつけられて動けずにいた [01:23.19]首筋にへばりつく髪 [01:29.20]脇の下 生ぬるい汗 [01:34.88]やっとかすれた声で [01:37.83]彼の名前を呼ぶ [01:41.14]君は今 [01:44.07]寒くもないのにふるえている [02:22.01]悲しいという訳じゃない [02:27.67]空っぽの涙が溢れ [02:33.46]今すぐにもナイフを握り [02:39.45]無性に髪を切りたくなった [02:44.43]目をおおう窓の夏草 [02:50.37]耳をつくよしきりの声 [02:56.55]やがて君は独りで [02:59.54]歩き出すのだろう [03:02.50]君はもう [03:05.62]女であることを逃れなれない [03:14.37]君はもう [03:17.54]女であることを逃れなれない